その肘の痛み、「使いすぎだから休めばいい」だけで終わっていませんか?
「安静にして湿布を貼ればそのうち治る」と思って過ごしていたら、また同じことが繰り返される…。上腕骨外側上顆炎(テニス肘)は、休養だけでは根本的なアプローチになっていないことがあると、私は考えています。
📋 こんなサインが出ていませんか?
物をつかんで持ち上げるとき、肘の外側にズキッと痛みが走る
タオル・雑巾を絞る、ペットボトルのフタを開けるだけで肘が痛い
マウス操作・キーボードタイピング・スマホ操作で肘が痛む
肘の外側の出っ張り(外側上顆)を押すと強く痛む
休むと一時的に楽になるが、また使うと同じ痛みが戻ってくる
フライパン・やかんを持つ・椅子を持ち上げる動作が怖くなってきた
前腕・肘まわりに慢性的な張りやだるさがある
赤のチェックに心当たりがある方は、「肘の付着部の炎症」だけでなく、前腕〜上腕〜肩甲骨にかけての筋肉システム全体が疲弊しているサインかもしれません。
テニスもしていない、特別なスポーツもしていない。それでもなぜ肘が痛むのか。そのヒントは「繰り返しの小さな負荷の積み重ね」と「筋肉の回収能力の限界」にあると、私は考えています。あなたが弱いわけではありませんよ。
整形外科では、どんなふうに診断・対処されるの?
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは
なぜ「物を持ち上げる」と肘が痛くなるのか
物を持ち上げる動作で起きていること
手のひらを上や横に向けた状態で物を持ち上げるとき、手首は無意識に「背屈(上に反らす)」しています。この動作では、肘の外側についた短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)を中心とする伸筋群の腱付着部に、最も大きなストレスが集中します。
特に「肘を伸ばした状態で物を持ち上げる」瞬間が、付着部への引き裂きストレスが最大になるとされており、「重いものを持つ・タオルを絞る・ドアノブを回す」などの動作で強い痛みが出やすい理由がここにあります。
主な症状の特徴
一般的な処置・対応の目安
整形外科での一般的な対処法
- 安静・動作制限:痛みを誘発する動作を制限して患部への反復ストレスを減らす
- 消炎鎮痛薬・湿布:腱付着部の炎症と痛みを抑える
- テニス肘バンド(カウンターフォースブレース):前腕中央に巻くことで、腱付着部へかかる引き裂きストレスを分散する装具
- ステロイド注射:炎症が強い場合に局所注射で急性症状を抑える。繰り返しの注射は腱変性を進める可能性があるとされている
- ストレッチ・運動療法:前腕伸筋群の柔軟性回復と、段階的な負荷トレーニング
- 手術(関節鏡・腱切離術):保存療法で6ヶ月以上改善がみられない難治例に行われることがある
多くのケースは保存療法で改善を目指せるとされています。ただし、症状が長引く・握力が著しく低下している・安静時にも痛みが続く場合は、早めに整形外科で正確な診断を受けることが大切です。
「肘の付着部だけの問題」ではないかもしれない、当院の考え方
ここからは、整骨院・手技療法の専門家として、私なりの考え方をお伝えさせてください。
💡 院長・日隈が考える「テニス肘が繰り返される理由」
「腱付着部を休ませて炎症を抑える」。それはとても大切なことです。でも私が日々感じているのは、「なぜその人の腱付着部には、日常の動作でこれほど過剰な引き裂きストレスが集中し続けているのか」という疑問です。
肘の伸筋群(テニス肘の主役)は、指先から始まり前腕・肘・上腕・肩甲骨へと続く筋肉のチェーン(連鎖)の一部です。このチェーンのどこかに機能の低下・疲労の蓄積があると、その分のストレスが肘の付着部に集中していくことがあると考えています。
「前腕→肘→上腕→肩甲骨」の連鎖という視点
①手指・手首
握る・つかむ動作で指屈筋群が強収縮。伸筋群は常に拮抗して働き続ける
②前腕伸筋群
短橈側手根伸筋など。過剰使用で老廃物が蓄積し筋線維が硬直・機能低下
③肘の付着部
機能低下した伸筋群の緊張が腱付着部に集中。炎症・微小断裂が生じる
④上腕・肩甲骨
肘の代償として上腕・肩甲骨周囲筋が過緊張。姿勢の崩れが前腕負荷を増加させる
※ひのくま整骨院の考え方です。すべてのケースに当てはまるわけではありません。
「握る」ときに肘の伸筋群に負担がかかる理由
⚠️ 拮抗筋(きっこうきん)という大切な視点
「物をつかむ」動作では、指を曲げる屈筋群(くっきんぐん)が主役に見えます。しかし同時に、手首が過度に曲がらないよう安定させる伸筋群(しんきんぐん)が常に「拮抗(きっこう)」して働き続けています。
つまり「つかむ・持ち上げる」動作のたびに、伸筋群も屈筋群に負けないよう収縮し続けているのです。一日に何百・何千回と繰り返されるこの「つかむ」動作が、伸筋群の腱付着部に慢性的な疲労を積み重ねていくと考えられています。
前腕の伸筋群は、手を使うたびに収縮し、動脈から酸素・栄養を受け取り、老廃物(乳酸など)を静脈で回収することで機能します。しかし、日常的な使いすぎや慢性的な姿勢の崩れで、静脈の回収能力が限界を超えてしまうと、老廃物が筋肉内に残り続けます。
老廃物が残ると周囲の毛細血管の機能が低下し、「酸素と栄養が届きにくい筋線維」が増えていきます。そうした筋線維が増えると、残りの筋線維に過剰な負荷が集中し、前腕全体が常に収縮した状態(緊張したまま)になります。
この状態では、筋肉が本来吸収できるはずの負荷を受け止められなくなり、腱付着部への引き裂きストレスが集中・慢性化してしまうことがあると、私は考えています。
当院が大切にしている考え方
- 肘の付着部だけでなく、手指・前腕・上腕・肩甲骨・頸椎まで含めた全体の筋肉・関節の連携を確認する
- 「安静で腱を休める」だけでなく、前腕の筋肉が本来の代謝力と協調性を取り戻せる状態をつくることを大切にする
- 拮抗筋(屈筋群)も含めた前腕全体のバランスを整えることで、腱付着部への過剰なストレス集中を変えていくアプローチを目指す
神経筋リセット療法という「優しい」アプローチ
当院では「神経筋リセット療法」という手技療法を行っています。バキバキしない、眠くなるほどソフトな施術です。炎症が残る腱付着部に強い刺激を加えることはかえって症状を悪化させることがあるため、この「優しさ」がとても大切だと考えています。
柔道整復術の「2つのアプローチ」を組み合わせる
関節整復
肘関節・手関節・肩甲骨の動ける範囲を回復させ、関節の偏りを整えることを目指します
筋整復
前腕伸筋群・屈筋群を含む連鎖全体の協調性・拮抗性のバランスを整え合わせることを目指します
「物を持ち上げると肘が痛い」へのアプローチの考え方
関連する主な筋肉・関節・神経
- 短橈側手根伸筋・長橈側手根伸筋・総指伸筋(前腕背側):橈骨神経(C5〜C8)が支配。テニス肘の主役となる伸筋群。ここの筋代謝力の回復が症状改善への第一歩
- 浅指屈筋・深指屈筋(前腕掌側):正中神経・尺骨神経(C7〜T1)が支配。伸筋群の拮抗筋。屈筋群の過緊張が伸筋群への代償的ストレスを増大させる
- 回外筋・腕橈骨筋(肘まわり):橈骨神経(C5〜C6)が支配。前腕回旋動作の要。ここの硬直が「ねじる・絞る」動作時の肘への負担に直結する
- 上腕二頭筋・上腕筋(上腕前面):筋皮神経(C5〜C6)が支配。前腕屈曲・回外の主動筋。前腕の過緊張が上腕を介して肩関節前面にも波及することがある
- 肩甲骨周囲筋(僧帽筋・菱形筋・前鋸筋):副神経・肩甲背神経が支配。上肢全体の動きの土台。肩甲骨の位置が乱れると腕全体の筋緊張パターンに影響する
- 頸椎関節(C5〜C7)・肘関節・手関節:橈骨神経の出発点から末端まで。頸椎のゆがみが前腕・肘への神経伝達に影響することがある
当院では、これらを全体的に確認しながら、以下の流れで改善を目指したアプローチを行っています。
連携を整える
→
過緊張を和らげる
→
筋代謝力回復
→
可動域を回復
→
ストレス集中を変えていく
「前腕の神経スイッチをそっと切り替える」イメージとでも言いましょうか。腱付着部を直接強くほぐすのではなく、上流の筋肉から順番に機能を取り戻すことで、肘への過剰なストレス集中が自然に変わっていく流れを引き出す、穏やかな手技です。施術中にうとうとしてしまう方も少なくありません。
また、筋肉の活動量が向上することで、血管末端の集合管の再構築が促され、老廃物の代謝が改善する相乗効果も期待できると考えています。当院が目指すのは「痛みを出す必要のない体内環境をつくる」こと。「また繰り返した…」という悪循環から抜け出せるよう、体全体を一緒に整えていきたいと思っています。
※すべての方に同じ変化が現れることを保証するものではありません。症状の程度や個人差があります。安静時にも強い痛みが続く場合や握力が著しく低下している場合は、まず整形外科での受診をお勧めします。
まとめ・ひのくま整骨院へのご案内
今回は「物をつかんで持ち上げると肘が痛い」という上腕骨外側上顆炎(テニス肘)について、そのメカニズムと当院の考え方をお伝えしました。
📌 今日のポイント
- 「つかむ・持ち上げる」動作では伸筋群が常に拮抗して働いており、繰り返しの負荷で腱付着部にストレスが蓄積する
- 前腕だけでなく、手指・上腕・肩甲骨・頸椎まで続く筋肉の連鎖がアンバランスになることで肘への過剰なストレスが生まれることがある
- 「安静+湿布」だけでなく、筋肉の代謝力と連携を上流から整えることで、繰り返しを防ぐアプローチができると考えています
「また繰り返すんじゃないか」という不安を抱えたまま毎日を過ごすのではなく、前腕から全身の連携を整えることで、肘が悲鳴を上げない体の状態をつくるアプローチを、一緒に目指しませんか。
💛 一律料金に込めた、院長の思い
ひのくま整骨院では、初回・全身施術一律7,000円(税込)でご案内しています。
「肘だけじゃなくて、首も肩もだるくて…」そんなお気持ちのままお越しいただいて大丈夫です。どこを施術しても料金は変わりません。肘も前腕も肩甲骨も頸椎も、体のすべてを安心してお話しいただき、全体を最適に整えることを大切にしています。
すでに通院中の方は、今のままの料金で大切に施術させていただきますのでご安心ください。
※ 久しぶりのご来院(1ヶ月以上あいた場合)は、体の状態を丁寧に確認し直すため、初回と同様に全体を拝見させていただく場合があります。まずはお気軽にご相談ください。
「まずは相談だけでも、大丈夫ですよ。」
肘の痛み・前腕のだるさ・物が持ちにくい状態でお悩みの方、久喜市・幸手市・加須市・鴻巣市・宮代町・杉戸町・白岡市・春日部市からお気軽にお越しください。一緒に考えましょう。
ひのくま整骨院 ご案内
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