鼠径部の痛み・股関節痛が繰り返される理由|体幹からの視点

Letter from Hinokuma Seikotsuin

こんにちは、久喜市のひのくま整骨院、院長の日隈です。

「走ったりボールを蹴ったりすると、鼠径部がズキッと痛む」
「椅子から立ち上がるとき、足の付け根がひっかかるように痛い」
「病院で調べても骨には異常がないと言われたけど、痛みが続いている」

そんなお悩みを、サッカーをはじめとするスポーツをされている方や、デスクワークで座る時間が長い方からよくお聞きします。

鼠径部の痛みは、「股関節だけの問題」として片付けられがちですが、実は体幹・骨盤・下肢全体の連携が深く関わっていることが医学的にも指摘されています。今回はそのメカニズムと、当院の考え方をお伝えします。

その鼠径部の痛み、「股関節が悪いだけ」で片付けていませんか?

「レントゲンでは異常なし」「湿布と安静で様子を見ましょう」。そう言われて、痛みの原因がはっきりしないまま過ごしている方が少なくありません。鼠径部の痛みは、股関節そのものより「体幹と下肢のつなぎ目」に問題が生じているケースが多いと、私は考えています。

📋 こんなサインが出ていませんか?


走る・ボールを蹴る・ダッシュするときに鼠径部がズキッと痛む

椅子から立ち上がる・階段を上るとき、足の付け根がひっかかる感じがある

足を高く上げる動作・靴下を履く動作で鼠径部に痛みや突っ張りがある

病院で検査したが「骨には異常がない」と言われた

最初はスポーツ時だけだった痛みが、日常生活でも出るようになってきた

太もも内側・下腹部にも鈍い痛みや突っ張り感が広がってきた

長時間座った後、股関節がこわばって動かしにくい

後半のサインに心当たりがある方は、股関節局所だけでなく、体幹・骨盤・下肢の連携全体が崩れている可能性があります。この状態は「グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)」と呼ばれ、スポーツをする方に限らず、座り仕事の多い方にも起こりうるものです。あなたの体が弱いわけではありませんよ。

整形外科では、どんなふうに診断・対処されるの?

🏃 グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)とは

医学的には「股関節周辺の痛みの原因となる骨・関節の器質的な異常がなく、体幹〜下肢の可動性・安定性・協調性に問題が生じた結果、骨盤周辺の機能不全に陥り、運動時に鼠径部周辺に痛みを起こす症候群」と定義されています。

サッカーでの発症例が多いとされていますが、ランニング・ダッシュ・キック動作を伴うスポーツ全般、また長時間の座位姿勢が続く方にも起こりうるとされています。初期は運動時のみの痛みですが、慢性化すると日常生活の動作でも痛みが生じるようになります。

痛みの発生部位による3つの分類

① 内転筋関連

全体の約3分の2を占める

太もも内側の内転筋群の付着部(恥骨周囲)に生じる痛み。脚を閉じる動作・キック動作で誘発されやすい

② 腸腰筋関連

股関節屈曲動作で誘発

股関節を曲げる抵抗運動や、股関節を伸ばすストレッチで痛みが誘発される。足を高く上げる動作で症状が出やすい

③ 恥骨・股関節関連

その他の要因も含む

恥骨結合部の炎症、股関節唇損傷・FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)など股関節内の問題によるもの

なぜ「体幹〜下肢の連携不良」が原因になるのか

キック動作やランニング動作は、股関節だけで行われているわけではありません。肩甲帯と骨盤が連動して回旋する「クロスモーション」という全身運動によって成り立っています。

足関節捻挫の既往・腰痛・オーバーユースなどによって体幹や下肢の可動性・安定性・協調性に問題が生じたまま無理に動作を続けると、鼠径部・股関節周囲・骨盤に偏った負荷(メカニカルストレス)が集中し、炎症・痛みにつながるとされています。

一般的な処置・対応の目安

整形外科での一般的な対処法

  • 画像検査(X線・MRI):恥骨疲労骨折・股関節症・鼠径ヘルニアなど、鑑別が必要な疾患の除外
  • 安静・運動制限:急性期は誘発動作を制限し、患部への負荷を減らす
  • 可動性・安定性・協調性の評価:体幹・下肢のどこに機能不全があるかを理学的に評価する
  • 運動療法:柔軟性が低下している筋のストレッチ、関節可動域改善、体幹・下肢の筋力トレーニングを段階的に実施
  • 段階的な競技復帰プログラム:基礎練習から徐々に強度を上げ、ダッシュ・カッティング動作へ移行。競技復帰の目安は3ヶ月以降とされることが多い

グロインペイン症候群は急性の疾患ではなく慢性の疾患であり、「動作改善」が重要とされています。まずは整形外科で骨・関節の異常がないかを確認することが大切な第一歩です。

「股関節だけを見ない」当院の考え方

ここからは、整骨院・手技療法の専門家として、私なりの考え方をお伝えさせてください。

💡 院長・日隈が考える「鼠径部の痛みが繰り返される理由」

整形外科の診断基準にもあるとおり、鼠径部痛症候群は「体幹〜下肢の可動性・安定性・協調性の問題」から起きるとされています。私もこの考え方に強く共感しています。「鼠径部が痛い」からといって、鼠径部だけを施術しても、根本の連携不良が残っていれば繰り返してしまうと考えています。

腸腰筋・内転筋群は、体幹(腰椎)と下肢(大腿骨)をつなぐ「橋渡し」の筋肉です。この橋渡し役に過剰な負担が集中する背景には、その上下にある体幹深部筋・お尻の筋肉の機能低下があることが多いと考えています。

「体幹の不安定性→腸腰筋への過負荷」という連鎖

体幹の不安定性が鼠径部へ波及するイメージ

体幹深部筋
の機能低下

骨盤の
不安定化

股関節周囲筋の
代償的な過緊張

腸腰筋・内転筋
への負荷集中

鼠径部・恥骨への
慢性ストレス

※ひのくま整骨院の考え方です。すべてのケースに当てはまるわけではありません。

座り仕事の方にも起こる理由

⚠️ 「運動していないのに鼠径部が痛む」ケース

長時間座った姿勢は、股関節を曲げた状態を保ち続けるため、腸腰筋が「短縮したまま硬直する」状態になりやすくなります。この状態から急に立ち上がる・歩き出すという動作は、硬直した腸腰筋にとって大きな引っ張りストレスになります。

「スポーツをしていないのに鼠径部が痛い」という方の多くに、座位時間の長さと腸腰筋の慢性的な硬直が関係していることがあると、私は考えています。

痙攣性疼痛(けいれんせいとうつう)という視点

腸腰筋・内転筋群は、歩く・走る・座るという日常のあらゆる動作で使われ続けています。筋肉は動脈から酸素・栄養を受け取り、老廃物(乳酸など)を静脈で回収することで機能しますが、長時間の座位や体幹の不安定性による代償的な酷使が続くと、静脈の回収能力が限界を超えてしまうことがあります。

老廃物が筋肉内に残り続けると周囲の毛細血管の機能が低下し、「酸素と栄養が届きにくい筋線維」が増えていきます。そうした筋線維が増えると残りの筋線維に過剰な負荷が集中し、腸腰筋・内転筋群が「常に収縮したままの緊張状態」になりやすくなります。

この状態が続くと、恥骨付近の付着部への引っ張りストレスが慢性化し、運動時だけでなく安静時にも痛みが出る段階へ進行することがあると、私は考えています。

当院が大切にしている考え方

  • 鼠径部・股関節だけを見るのではなく、体幹深部筋・骨盤・お尻の筋肉まで含めた全体の連携を確認する
  • 「安静にして待つ」だけでなく、腸腰筋・内転筋が本来の代謝力を取り戻せる状態をつくることを大切にする
  • 体幹の不安定性という根本を整えることで、鼠径部への慢性的な負荷集中を変えていくアプローチを目指す

神経筋リセット療法という「優しい」アプローチ

当院では「神経筋リセット療法」という手技療法を行っています。バキバキしない、眠くなるほどソフトな施術です。炎症を伴う鼠径部への強い刺激はかえって症状を悪化させることがあるため、この「優しさ」がとても大切だと考えています。

🌿 神経筋リセット療法の基本的な考え方

神経筋リセット療法は、PNF(固有受容性神経筋促通法)の理論をベースに研究開発された手技療法です。筋肉や関節の中にある「感覚受容器」に穏やかに働きかけ、

感覚神経 → 脊髄・脳 → 運動神経 → 神経筋接合部

という神経の回路(神経反射弓)を整えることを目指す施術です。電気療法などの機器には頼らず、手技だけで向き合います。

🔧 関節整復

骨盤・股関節・腰椎の動ける範囲を回復させ、体幹の安定性の土台を整えることを目指します

🔧 筋整復

腸腰筋・内転筋群・お尻の筋肉の協調性のズレを整え合わせ、鼠径部への偏った負荷を変えることを目指します

股関節痛(鼠径部の痛み)へのアプローチの考え方

関連する主な筋肉・関節・神経

  • 腸腰筋(大腰筋・腸骨筋):大腿神経(L1〜L3)が支配。体幹と大腿骨をつなぐ最重要筋。座位時間の長さで短縮・硬直しやすく、鼠径部痛の中心的な要因になることが多い
  • 内転筋群(長内転筋・薄筋・恥骨筋など):閉鎖神経(L2〜L4)が支配。恥骨への付着部炎の主役。キック動作・脚を閉じる動作で誘発される痛みに直結する
  • 腹直筋・腹斜筋(下腹部):肋間神経・腸骨下腹神経が支配。恥骨結合を介して内転筋と連結。ここの機能低下が恥骨周囲への負担集中に関与することがある
  • 中殿筋・小殿筋(股関節外側):上臀神経(L4〜S1)が支配。骨盤の安定性を保つ土台筋。機能低下が腸腰筋への代償的な過負荷につながることがある
  • 多裂筋・腹横筋(体幹深部):腰神経叢が支配。骨盤・腰椎の安定性を担う深層筋。ここの機能回復が鼠径部への負荷集中を根本から変える鍵になる
  • 股関節(股関節唇・関節包):可動域・関節内の状態を確認しながら、股関節への偏ったストレスを減らすことを目指す

当院では、これらを全体的に確認しながら以下の流れで改善を目指したアプローチを行っています。

体幹深部筋の
安定性を回復

骨盤・股関節の
連携を整える

腸腰筋・内転筋の
筋代謝力向上

お尻の筋肉との
協調性を高める

鼠径部への
負荷集中を軽減

「鼠径部の神経スイッチを、体幹の根っこから切り替えていく」イメージとでも言いましょうか。痛む場所を直接強く押すのではなく、連携の根本である体幹・骨盤から順番に整えることで、鼠径部への過剰な負荷が自然に変わっていく流れを引き出す、穏やかな手技です。施術中にうとうとしてしまう方も少なくありません。

また、筋肉の活動量が向上することで、血管末端の集合管の再構築が促され、老廃物の代謝が改善する相乗効果も期待できると考えています。当院が目指すのは「痛みを出す必要のない体内環境をつくる」こと。スポーツを続けたい方も、日常生活での不安を減らしたい方も、一緒に体を整えていきたいと思っています。

※すべての方に同じ変化が現れることを保証するものではありません。症状の程度や個人差があります。恥骨疲労骨折・鼠径ヘルニアなど別の疾患が疑われる場合は、まず整形外科での受診をお勧めします。

まとめ・ひのくま整骨院へのご案内

今回は「股関節痛(鼠径部付近の痛み)」について、グロインペイン症候群のメカニズムと、体幹・骨盤との全身連携という視点から当院の考え方をお伝えしました。

📌 今日のポイント

  • 鼠径部の痛みは、医学的にも「体幹〜下肢の可動性・安定性・協調性の問題」から起きるとされている
  • 体幹深部筋の機能低下→骨盤の不安定化→腸腰筋・内転筋への過負荷、という連鎖が痛みを慢性化させることがある
  • 「安静にして待つ」だけでなく、体幹から整えることで鼠径部への慢性的な負荷を変えるアプローチができると考えています

「股関節だけを揉んでもらっても、なかなか変わらない」と感じていた方に、体幹からのアプローチという選択肢があることを知っていただけたら嬉しいです。スポーツを続けたい方も、日常生活の不安を減らしたい方も、ぜひ一度ご相談ください。


💛 一律料金に込めた、院長の思い

ひのくま整骨院では、初回・全身施術一律7,000円(税込)でご案内しています。

「鼠径部だけじゃなくて、腰もお尻も気になっていて…」そんなお気持ちのままお越しいただいて大丈夫です。どこを施術しても料金は変わりません。股関節も腰も体幹もお尻も、体のすべてを安心してお話しいただき、全体を最適に整えることを大切にしています。

すでに通院中の方は、今のままの料金で大切に施術させていただきますのでご安心ください。

※ 久しぶりのご来院(1ヶ月以上あいた場合)は、体の状態を丁寧に確認し直すため、初回と同様に全体を拝見させていただく場合があります。まずはお気軽にご相談ください。


「まずは相談だけでも、大丈夫ですよ。」

股関節痛・鼠径部の痛みでお悩みの方、久喜市・幸手市・加須市・鴻巣市・宮代町・杉戸町・白岡市・春日部市からお気軽にお越しください。一緒に考えましょう。

🏥

ひのくま整骨院 ご案内

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土 曜:午前 8:30〜13:00 / 午後 15:00〜17:00
🗓️ 休日 日曜日・祝日
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