検査で異常なしでも腰が痛い…その原因を筋肉から考える NO.2

「異常なし」と言われたのに腰が痛い…その不安、置き去りにしないでください

腰が痛くて受診したのに「骨には大きな異常が見当たりません」。
それでも痛い、しびれる、夜がつらい…。
この状態、ほんとうにしんどいですよね。

痛みやしびれは、体が出している大切なサインです。
我慢して一時的に落ち着く日があっても、次に出るときは強いサインに変わることがあります。

この記事では、一般的な医療の考え方に加えて、
「筋肉の働き」と「体の使い方」から腰痛を読み解くヒントをお伝えします。
途中で、あまり知られていないけれど臨床でとても重要な
「モーメントアーム性腰痛症」の考え方も、分かりやすく紹介します。

目次

腰痛が長引くとき、いちばん困ること

腰痛のつらさは「痛み」だけではありません。

・朝の起き上がりが怖い
・座っているだけで重だるい
・車の運転がつらい
・痛みで眠れない日がある
・どこに行っても変化が少ない

こうした不自由が積み重なると、気持ちまで疲れてしまいます。
だからこそ、「原因が分からない」状態を長く放置しないことが大切です。

一般的な医療ではどう説明される?

腰痛が続く場合、医療機関では次のような状態が検討されます。

  • 腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など(神経の圧迫が疑われる状態)
  • 腰椎分離症・すべり症など(骨の構造や負担が関係する状態)
  • 筋・筋膜性腰痛、仙腸関節由来の痛みなど(筋肉や関節周囲が関係する状態)
  • 原因が特定できない腰痛(非特異的腰痛)

対応としては、痛み止め、物理療法、リハビリ、コルセットなどが選択されることが多いです。
スポーツや作業負荷が強い場合は、一定期間の負荷制限が提案されることもあります。

注意:痛みが強い、夜間に激しく痛む、足の力が入りにくい、排尿排便の異常などがある場合は、整形外科などでの評価(必要に応じてMRIなど)を優先してください。

モーメントアーム性腰痛症とは?

「モーメントアーム」とは、簡単に言うと“てこの距離”です。
荷物を体から離して持つほど、その距離が長くなり、腰にかかる負担が大きくなります。

そして、モーメントアーム性腰痛症は、
腕(上肢)にかかる負荷が大きく、腕の使い方が腰に強い負担を生んで起こる腰痛という考え方です。

スポーツの世界では分かりやすく、
腕を強く使う競技では、腰に大きな負担がかかり、筋肉の使い方の違いで痛め方が変わる、と説明されています。

でも実はこれ、スポーツだけの話ではありません。

日常でも、腕を前に出したまま作業する時間が長いと、
腰は「支点」として踏ん張り続けることになります。
これが積み重なると、腰が限界を迎えます。

例)
・重い荷物を体から離して持つ
・掃除機がけ、アイロン、料理で前腕を使い続ける
・デスクワークで腕を前に出しっぱなし
・ドライヤー、抱っこ、買い物袋の持ち方

こんな症状は疑いがあります

次に当てはまる方は、腰の症状がヘルニアや分離症のように見えても、
モーメントアーム性腰痛症が関係している可能性があります。

  • 腰の痛みに波があり、日中の作業量に左右される
  • 重だるさ+ピリピリ(坐骨神経痛のような症状)が出ることがある
  • 前屈や後屈よりも「立っている・座っている・腕を使う」時間で悪化する
  • 腰だけ施術しても変化が乏しい
  • 股関節や骨盤の動きに左右差があると言われたことがある
  • 仙腸関節あたりが片側だけ固い感じがする

ポイントは、腰だけを見ても答えが出にくいことです。
だから判断が難しく、見落とされやすいタイプでもあります。

施術家の視点:痛みは「場所」だけで決まらない

当院では、痛みを大きく3つに分けて考えます。

  • ケガ・感染などの炎症性の痛み
  • 水腫や腱鞘炎など代謝の乱れに関係する痛み
  • 筋肉の閾値低下による痙攣性の痛み

腰が痛いからといって、必ず腰そのものが壊れているとは限りません。
筋肉は連携して働くため、どこかの筋肉が働けなくなると、別の筋肉が頑張りすぎます。
その結果、関節の動きが偏り、腱や神経の通り道にも負担がかかりやすくなります。

臨床例:アラフィフOLさんのケース

ここからは、実際に当院で対応したケースを、個人が特定されない形で共有します。
(※症状の経過には個人差があります。医療機関での検査が必要な場合もあります)

患者さん:アラフィフのOLさん(遠方から来院)
経過:最初の3回は連日の施術。4回目は3日あいて来院。

主な訴え:
・坐骨神経に沿うような痛み
・腰神経叢を疑うような広がりのある痛み
・片側の仙腸関節のこわばり(仙骨の動きの偏りが関係)
・夜になると激しい痛みで眠れない日が続く

一時的な変化:
仙骨の動きを整えた施術当日は症状が安定しました。
ただ、夜間に痛みが再燃し、睡眠が難しい状態が続きました。

ご自宅近くの整形外科でレントゲン検査を受け、椎間板の間隔は「狭いと言えば狭いが、それが原因とは断定できない」。
「MRIを見ないと分からない」という説明で、後日MRI予約をされたそうです。

その後、当院の予約日に来院。
ヘルニアや分離症などを想定した施術の組み立てでも、大きな変化が出にくい状態でした。

ところが、上肢(腕・肩まわり)への施術を行った後に、症状の軽減が見られました。
このとき私自身も「腰の症状が、腕の負担(モーメントアーム)とここまで連動するのか」と、学びの大きい経験になりました。

腰のしびれや痛みが、いかにもヘルニア・分離症のように見えても、
体の使い方(腕を使う負担)が腰へ集中して起きる腰痛という可能性がある。
このケースは、それを強く示してくれました。

神経筋整復法(筋肉の整体)での考え方

当院の神経筋整復法は、PNF(固有受容性神経筋促通法)の理論をベースに、
筋肉の働きを引き出すことを目的にした手技です。

筋肉内の感覚受容器への刺激が、感覚神経を通じて脊髄・脳へ伝わり、
その情報を受けた中枢が、運動神経を通じて筋肉を働かせやすくします。
この「神経の回路(反射の流れ)」を整えることで、働けていなかった筋肉が活動しやすくなります。

モーメントアーム性腰痛症が疑われる場合、
腰だけでなく、腕・肩甲帯・体幹・骨盤・股関節を含めた連動を見ます。
「腰が踏ん張りすぎる状況」を、全体の連携でほどいていくイメージです。

また、症状が強い時期ほど、当院では「弱いから鍛える」を急がず、
まずは筋肉の働きを戻すこと、こまめなストレッチを優先して提案することがあります。

自宅でできる負担の減らし方(モーメントアームを短くする)

腰の負担を減らすコツは、難しい運動よりも「負担のかけ方」を変えることからです。

1)物は「体に近い位置」で扱う

荷物を体から離すほど、腰への負担は増えます。
買い物袋、掃除機、洗濯カゴ…まずは“近く”を意識してください。

2)腕だけで作業しない(体ごと向きを変える)

腕を伸ばしてひねる動きは、腰に負担が集中しやすいです。
方向転換は、腰だけでなく体ごと行うほうが安全です。

3)「頑張る筋トレ」をいったん控え、こまめに緩める

痛みが強い時期の強い筋トレは、逆に症状が長引くことがあります。
まずは短時間でもいいので、こまめに体を緩める時間を作ってください。

まとめと来院のご案内

検査で異常なしでも腰が痛い。
その腰痛は、気のせいではありません。

腰の症状がヘルニアや分離症のように見えても、
腕や上半身の使い方(モーメントアーム)が腰へ負担を集中させている可能性があります。

「どこに行っても変化が少ない腰痛」ほど、
筋肉の働きと体の連動を丁寧に見直すことが大切です。

【ご予約・お問い合わせ】

・所在地:〒346-0012 埼玉県久喜市栗原2-2-7
・電話番号:0480-31-7775
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・休診日:日曜日、祝日

関連情報:腰痛.COM

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