成長痛(オスグットシュラッター氏症)の後遺症

オスグットシュラッター氏症、と存じ上げない人も多いのですが、「成長痛」という名前と、膝が痛くなるという情報を知っている人は多くいらっしゃいます。
ただ、間違った情報が広がっていると思っています。オスグットシュラッター氏症(以下、オスグット)、いわゆる成長痛は、思春期に誰でも起こるわけではないということです。ただし、いろいろな要素が重なると誰でも起こりうる障害です。実際、同じ年齢層の子供たちを比較して、一部の子供しか発症していませんよね。
オスグットは発症の早期に、適切な足の調整をすることで、膝の下がっ出っ張るという変形を起こす心配はなくなります。
そもそもの原因は、足の筋肉疲労です。十分な休息と筋肉の柔軟を確保できていないことから、関節のゆがみを起こし、さらに軟骨付近の付着する筋肉の影響で、軟骨剥離、骨剥離をしてしまう障害です。寝ているときに、「グン!」と伸びた感じがして痛くなった、と表現される人もいますが寝ているときには痛みを出す要素はあっても傷める要素はありません。つまり身長が急激に伸びる事が、筋肉の疲労と重なり傷つけてしまうわけです。

オスグットの療養は、だいたい、痛みが落ち着くまで運動中止、いわゆるドクターストップというものですね。私たちは生きている限り動きますし、動かなかったとしてもエネルギーは使われるので必ず疲れます。疲労物質の代謝が今まで通りの状態に戻らない限り、痛みを出さないような使い方を続けていきます。つまり、ゆがんだ関節ゆがんだまま、関節のゆとりも減り、常にこわばった関節の使い方を習慣化してしまいます。

そのため成長期がおさまり、成長軟骨がなくなり、完全に骨となって軟骨をそれ以上傷つけることがなくなると、ある程度痛みが出なくなるという人も出てくるわけです。
しかし、膝関節は股関節に次いで足の関節では大きな関節で、いろいろ動く関節ではなく、前後に動くことに特化した形であり、半月板というクッションのような軟骨があり衝撃を受け止めることに優れる構造を持っているのに捻じれたり傾いたりしてしまっていると、体を支えるとができにくくなってしまいます。そこで、股関節や足首、踵の位置までもずらして何とか水平に体を保てるように余分な筋力を使って、体をえます。
つまり、オスグットが出る以前のような関節や筋肉の動きができなくなっていて、体のバランスもとりにくくなっているために、足をくじきやすくなったり、アキレス腱を傷めやすくしてしまいます。肩こりや腰痛も出しやすくなることも考えられます。
今は正座をすることが少なくなってきました、でもやっぱりする機会が日本人ならあるように、私は考えています。
だからいついかなる時も正座ができるくらいの、膝関節の働きと、柔軟さを身につけておけば、オスグットによる後遺障害はなくせると考えています。

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