背骨の数は28個ぐらい(人によっては仙骨がわかれていたり、頚椎の数が一つ多い人もいます)。複数の関節から「S」字の湾曲をもって脳を衝撃から守っています。もちろん関節が守っているというより筋肉が骨を支点として「てこの原理」で衝撃を分散させています。また、複数の関節があることで体幹の捻じれを効率よく作ることができます。
ただしこれは筋肉のバランスが取れているときの場合です。バランスはとるのですが、左右非対称といわれているのが最近の医学的発想です。しかし私は左右対称が前提になければならないと考えています。
つまり一部の筋肉の働きが低下したものがあれば、それを左右対称に動こう、働こうとするために左右非対称の調和が妥当なのだと考えられてしまっているんです。
私たちが捻挫や骨折の判断をする指標として、ケガをしていない方の反対側となります。これは左右非対称だからと考えると間違ってしまいます。捻挫の定義は簡単に言えば、外れた関節が元に戻ったということ、つまりずれはないと考えるのが妥当だということらしいのです。
でも実際は関節の整復をしますと「グツ!」「ゴキッ!」と音を立てながら整うわけです。関節はのっぺりとしているわけではありません、だから簡単には元の位置に戻れないと考えます。
これらの機能異常などをもちつつ痛みは出さないように体がバランスを保たせながら生活してくと、必然的にオーバーワークとなり痛みを出してしまいます。そう考えたときにもちろんケガのような傷みを作ってきてしまったところは、整復し調整します、直接的に。でもそうではない地道にユガミを作ってしまったところは痛みを訴える部位を直接的に調整するよりも背骨の無数にある関節の動きをつかさどってきている周囲筋に目を向けることも必要となります。その場合に自ら動いてもらって左右対称に動けないツッパリ感を感じる方向を教えてもらい判断していくわけです。そこでえられた情報をもとに、施術を確定していくと患者さんが訴えている痛みの部位とは考えもつかないようなところに調整箇所が出ることもあります。
でもこういうことから、複数の関節からなる背骨はムチのようにしなって衝撃を吸収できる、動きの制限を受けたところがあるとムチのようにはしなれない、ということは脳への衝撃の吸収が高まり、骨格だけの痛みではなく付随する自律神経の機能の低下を起こすということにつながってきてしまうと考えています。
だからこそ左右対称にストレッチングも行う必要があると思っています。
予防に勝る治療なし!ですよ。