こんにちは、久喜市のひのくま整骨院、院長の日隈です。
「朝目が覚めたら、手首がだらんと落ちて上がらない…」
「腕がじんじんしびれて、箸もスマホも持てない」
「しばらくしたら動くようになったけど、なんだったんだろう…」
そんな経験を、突然のことで驚き、不安を抱えたまま来院される方がいらっしゃいます。
これは「一過性橈骨神経麻痺(いっかせいとうこつしんけいまひ)」と呼ばれる状態かもしれません。「麻痺」という言葉の響きに驚かれるかもしれませんが、多くの場合は一時的なものです。ただ、正しく理解して向き合うことが大切です。今回は、この症状のメカニズムと当院の考え方をやさしくお伝えします。
そのお悩み、「しばらくしたら治ったから大丈夫」で終わっていませんか?
「一度だけで、またすぐ動くようになったから気にしなかった」という方がとても多いです。でも、もし同じような症状が繰り返されているなら、体が何かを伝えようとしているサインかもしれません。
- 朝起きたら、手首がだらんと落ちて自力で上げられない(下垂手)
- 親指・人差し指・中指の手の甲あたりがしびれる、感覚が鈍い
- 腕がじんじんして、物が握れない・箸が持てない
- ソファや床で腕を下にして寝てしまった翌朝に症状が出た
- 深酒の後など、ぐっすり眠った翌朝に手が動かなかったことがある
- しばらくすると動くようになるが、また同じことが起きている
こうしたサインが出たとき、まず大切なのは「どの神経が、どこで、どのように圧迫されたのか」を正しく理解することです。
一過性であっても、繰り返しているとしたら、それは腕・肩まわりの筋肉が「神経を守る力」を失いかけているサインかもしれません。あなたが悪いわけではありませんよ。
整形外科では、どんなふうに診断・対処されるの?
橈骨神経とはどんな神経?
橈骨神経(とうこつしんけい)は、首の脊髄から出発して、わきの下を通り、上腕の後ろ側をぐるっと回って前腕へと延びる神経です。この神経は主に以下の働きを担っています。
- 運動:手首を上に反らす(背屈)、指を伸ばす、前腕を外側にひねる(回外)動作を支配
- 感覚:手の甲から親指・人差し指・中指の甲側、前腕の親指側の皮膚感覚を担当
つまり、この神経が何らかの理由で圧迫・障害されると、「手首が上に上がらない(下垂手)」「手の甲がしびれる」という症状が出てくるわけです。
一過性橈骨神経麻痺はなぜ起こるのか
橈骨神経は、上腕の中央あたりで「橈骨神経溝(とうこつしんけいこう)」と呼ばれる上腕骨のすぐ後ろのくぼみを通っています。この部分は骨に非常に近いため、外からの圧迫を受けやすい構造になっています。
- ソファの肘掛けや硬い床での圧迫:深酒後や疲労で動けないまま寝てしまい、腕が硬いものに当たり続ける。わずか15〜20分程度の圧迫でも発症することがあります
- 腕枕・添い寝:パートナーの頭の重さで上腕が長時間圧迫される。「ハネムーン症候群」「サタデーナイト症候群」とも呼ばれます
- 電車の中での居眠り:腕がひじ掛けにかかったまま寝てしまうケース
- 外傷・骨折:上腕骨の骨折に伴って橈骨神経が引き伸ばされたり、圧迫されるケース
圧迫された場所によって症状が変わる
- 肘より上(上腕中央〜高位)での圧迫:手首が上げられない「下垂手(drop hand)」+手の甲のしびれ・感覚鈍麻が生じます
- 肘あたり(後骨間神経レベル)での圧迫:指が伸ばせない「下垂指(drop finger)」が生じますが、感覚障害はありません
- 前腕の親指側(浅枝レベル)での圧迫:運動麻痺はなく、親指付け根あたりの感覚障害のみが生じます
一般的な処置・対応の目安
- 経過観察・安静:圧迫が原因の場合、多くは1ヶ月〜数ヶ月で自然回復するとされています
- 装具(カックアップスプリント):手首を背屈位(上向き)に保持する装具を装着。手首を機能的な位置に固定することで日常動作を補助し、関節の拘縮を予防します
- ビタミンB12製剤:神経の修復・回復をサポートするための内服薬
- 画像検査・神経伝導検査:外傷や腫瘍など別の原因がないかを確認。神経の障害程度を評価します
- 手術:神経の断裂が確認された場合や、保存療法で改善がみられない場合に神経縫合術・腱移行術などが選択されることがあります
圧迫による一過性のケースでは、多くが保存療法で回復の見込みがあるとされています。ただし、症状が長引く・悪化する・骨折などの外傷を伴う場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。
一般的な処置と「少し違う」当院の考え方
ここからは、整骨院・手技療法の専門家として、私なりの考え方をお伝えさせてください。
「圧迫が取れれば神経は回復する」だけでは終わらないことがある
一過性橈骨神経麻痺は、「圧迫を取り除けば自然に回復する」というのが一般的な説明です。これは正しい情報です。ただ私が日々感じているのは、「なぜその人の腕・肩まわりは、短時間の圧迫でも神経が強くダメージを受けるほど脆弱な状態になっていたのか」という視点です。
橈骨神経を守るはずの上腕の筋肉(上腕三頭筋など)が、慢性的な疲労や機能低下によってクッションとしての役割を十分に果たせなくなっていると、普通なら問題にならない程度の圧迫でも神経へのダメージが大きくなることがあると考えています。
筋肉は、神経からの電気信号で動き、動脈から酸素と栄養を受け取り、老廃物(乳酸など)を静脈で回収することで機能しています。デスクワークや同じ姿勢が続く生活を送っていると、肩まわり・上腕の筋肉に老廃物が蓄積しやすくなります。
老廃物が静脈で回収しきれなくなると、筋肉の内部の毛細血管の機能が低下し、「酸素と栄養が届きにくい筋線維」が増えていきます。そうした筋線維が増えると、残りの筋線維に過剰な負荷が集中し、筋肉が常に収縮した状態(緊張したまま)になりやすくなります。
この状態では、筋肉が本来持っているはずの「外からの力を吸収する」クッション機能が低下します。その結果、ふだんなら問題にならない程度の腕への圧力が、内部を走る橈骨神経に直接伝わりやすくなってしまう可能性があると、私は考えています。
「神経の回路(神経反射弓)のリセット」という視点
また、麻痺が回復した後も「以前と同じ感覚で動かせない」「力が完全に戻らない感じがする」と感じる方がいらっしゃいます。
これは、神経が物理的に回復しても、「神経→筋肉への命令の回路」が圧迫による混乱から立て直せていない状態が続いているためかもしれません。筋肉を正しく動かすための「神経のスイッチ」が、まだ完全に切り替わっていない状態です。
- 腕だけでなく、肩甲骨・頸椎・体幹まで含めた全体の筋肉・神経の連携を確認する
- 「圧迫がなくなれば終わり」ではなく、筋肉が本来の機能とクッション性を取り戻す状態をつくることを大切にする
- 神経が回復した後の「神経→筋肉の命令回路の再構築」へのアプローチを目指す
神経筋リセット療法という「優しい」アプローチ
当院では「神経筋リセット療法」という手技療法を行っています。バキバキしない、眠くなるほどソフトな施術です。麻痺の回復途中にある繊細な神経・筋肉にこそ、この「優しさ」がとても大切だと考えています。
神経筋リセット療法とは?
神経筋リセット療法は、PNF(固有受容性神経筋促通法)の理論をベースに研究開発された手技療法です。筋肉や関節の中にある「感覚受容器」に穏やかに働きかけ、
感覚神経 → 脊髄・脳 → 運動神経 → 神経筋接合部
という神経の回路(神経反射弓)を整えることを目指す施術です。電気療法などの機器には頼らず、手技だけで向き合います。
柔道整復術の「関節整復」と「筋整復」を組み合わせる
- 関節整復:関節の動ける範囲を回復させ、関節の偏りを整えることを目指します
- 筋整復:筋肉と関節の連携のズレ(協調性・拮抗性のバランス崩れ)を整え合わせることを目指します
この2つを組み合わせることで、筋肉・関節・神経システム全体のバランス回復を目指すのが、当院の施術の考え方です。
一過性橈骨神経麻痺へのアプローチの考え方
橈骨神経が走行する経路と、関係する筋肉・関節・神経としては主に以下が挙げられます。
- 橈骨神経(C5〜T1由来):頸椎から発生し、腋窩→上腕後面→橈骨神経溝→前腕へと延びる。上腕三頭筋・橈側手根伸筋・総指伸筋などを支配
- 上腕三頭筋:橈骨神経溝の直上を覆う筋肉。ここの機能低下が神経への直接的なクッションの喪失につながることがあります
- 橈側手根伸筋・総指伸筋(前腕背側):手首の背屈と指の伸展を担う。麻痺回復後の「命令回路の再構築」に重要な筋群
- 肩甲骨周囲筋(僧帽筋・菱形筋・前鋸筋):上肢全体の神経の「根元」となる肩関節の安定を支える。ここの機能低下が上腕への慢性的な緊張につながることがあります
- 頸椎関節(C5〜C8):橈骨神経の出発点。頸椎のゆがみが神経の走行全体に影響することがあります
- 手関節・手指の伸筋腱:麻痺回復後の可動域と筋力の戻りに関わる末端部位
当院では、これらを全体的に確認しながら、以下の流れで改善を目指したアプローチを行っています。
連携を整える
筋代謝力向上
神経回路を再構築
回復を目指す
神経のスイッチをそっと切り替えるイメージ、とでも言いましょうか。強い刺激ではなく、体が本来持っている自然な回復の流れを引き出すような、穏やかな手技で向き合います。施術中にうとうとしてしまう方も少なくありません。
また、筋肉の活動量が向上することで、血管末端の集合管の再構築が促され、老廃物の代謝が改善する相乗効果も期待できると考えています。
当院が目指すのは「痛みを出す必要のない体内環境をつくる」こと。「圧迫がなくなったから大丈夫」で終わらず、繰り返さない体の状態をつくることを、一緒に目指していきたいと思っています。
※すべての方に同じ変化が現れることを保証するものではありません。症状の程度や個人差があります。麻痺の症状が続く場合や外傷を伴う場合は、まず整形外科での受診をお勧めします。
まとめ・ひのくま整骨院へのご案内
今回は「一過性橈骨神経麻痺」について、そのメカニズムと当院の考え方をお伝えしました。
「しばらくしたら治ったから大丈夫」と感じていても、繰り返すとしたら、腕まわりの筋肉が神経を守るクッション機能を失いかけているサインかもしれません。神経の回復と同時に、筋肉・関節・神経回路全体を整えるアプローチを、当院では大切にしています。
「また起きるんじゃないか」という不安を抱えたままにしないために、ぜひ一度ご相談ください。一緒に体のことを考えましょう。
一律料金に込めた、院長の思い
ひのくま整骨院では、初回・全身施術一律7,000円(税込)でご案内しています。
「腕だけじゃなく、肩や首もなんか気になっていて…」そんなお気持ちのままお越しいただいて大丈夫です。どこを施術しても料金は変わりません。腕も首も肩甲骨も、体のすべてを安心してお話しいただき、全体を最適に整えることを大切にしています。
すでに通院中の方は、今のままの料金で大切に施術させていただきますのでご安心ください。
※ 久しぶりのご来院(1ヶ月以上あいた場合)は、体の状態を丁寧に確認し直すため、初回と同様に全体を拝見させていただく場合があります。まずはお気軽にご相談ください。
「まずは相談だけでも、大丈夫ですよ。」
手のしびれ・脱力・手首が上がらないといった症状でお悩みの方、久喜市・幸手市・加須市・鴻巣市・宮代町・杉戸町・白岡市・春日部市からお気軽にお越しください。一緒に考えましょう。
ひのくま整骨院 ご案内
| 所在地 | 〒346-0012 埼玉県久喜市栗原2-2-7 |
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| 電話番号 | 0480-31-7775 |
| 受付時間 | 月〜金:午前 8:30〜13:00 / 午後 15:00〜20:00 土 曜:午前 8:30〜13:00 / 午後 15:00〜17:00 |
| 休日 | 日曜日・祝日 |












