なぜふらつきや転倒が増えるのか?
1. 神経の伝達スピードが低下する
年齢とともに神経の働きが鈍くなり、感覚を脳に伝える「求心性神経」や、脳から筋肉に指令を送る「遠心性神経」の情報伝達が遅れるようになります。
この遅延により、つまずいた時に体勢を立て直す反応が遅れて転倒につながることがあります。
2. 筋力の低下とその連鎖
下半身の筋力は加齢により著しく低下しやすく、特に太ももやお尻の筋肉は立ち上がりや歩行に不可欠です。
筋力が落ちると踏ん張りが利かなくなり、少しの動作でもふらつきやすくなります。
さらに転倒を恐れて動かなくなることで、筋力の低下が加速する悪循環に陥りやすくなります。
3. 感覚の衰えと空間認識のズレ
視覚・内耳(前庭)・筋肉や関節の感覚など、複数の感覚が統合されてバランスは保たれています。
加齢によりこれらの感覚が鈍化すると、身体の位置感覚にズレが生じ、無意識のうちに体が傾いたり足が遅れて出たりするようになります。
4. 環境的要因や体調の変化
段差、電気コード、滑りやすい床など、日常の生活環境も大きなリスクです。
加えて薬の副作用、天候の変化、睡眠不足など、ちょっとした体調の変化でも転倒しやすくなります。
神経筋整復法で根本からアプローチする
当院では、筋肉と神経の連携機能を高める独自の手技療法「神経筋整復法」を導入しています。
神経と筋肉の情報伝達経路を整えることで、身体が持つ本来のバランス機能や反応速度を引き出します。
筋肉には感覚受容器としての役割と運動の出力器官としての役割があります。
その状態が悪くなると、神経からの信号が正しく伝わらなくなり、ふらつきや転倒につながります。
神経筋整復法では、感覚情報がどのように脊髄、小脳、大脳を経由して運動指令として戻ってくるかという回路に注目し、手技で丁寧に整えます。
これにより「つまずきにくくなった」「歩きやすくなった」と感じる方が増えています。
施術はすべて手技で行い、機器や強い力は使いませんので、高齢の方や筋力が弱い方も安心して受けられます。
施術の流れと丁寧なアプローチ
- 問診と日常動作のヒアリング:転倒歴や生活状況を詳しくお聞きします。
- 立ち姿勢と歩行のチェック:重心の位置や歩き方を確認します。
- 関節と姿勢の調整:骨盤や膝など、身体の土台を整えます。
- 神経筋整復法の実施:神経と筋肉の伝達経路を改善する手技を行います。
- 施術後の確認とアドバイス:体の変化を確認し、生活上の注意点もお伝えします。
捻挫や打撲などの急性外傷には健康保険が適用されますが、ふらつきや慢性的な機能低下には自費施術となります。
ご自宅でできるふらつき予防対策
- 部屋の整理整頓:ラグやコード類など、つまずきやすい物を撤去しましょう。
- 床の滑り止め対策:脱衣所やキッチンには滑り止めマットを。
- 適切な照明:夜間も足元が見えるよう、照明を配置。
- 安全な履き物:滑り止めがついた靴や、かかとのあるスリッパを選びましょう。
- ゆっくり動く習慣:立ち上がりや歩き出しは急がず、姿勢を整えてから。
おわりに
ふらつきや転倒は、年齢のせいとあきらめる前に、身体の変化を知り、正しく対処することが大切です。
当院では、筋肉と神経の連携を整えることで、根本からの安定性回復をサポートしています。
「最近よくつまずく」「足が出づらい」と感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。
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